独学が難しい理由

何かを学びたいと思った時に、どのように学べばいいのか?を考えます。
学びたい内容によって、専門スクールで学ぶ方が良い場合があるでしょう。さらに、もっと内容が深く専門家としての学びを求める場合や国家資格の取得などで、決まった学び方をしなければいけない場合は、大学や大学院に入学して学ぶことも考えられます。そういった専門の学校やスクールでの学びを行わない場合は、独学で学ぶという選択肢もあります。
そもそも、独学で学ぶということがイメージにわかないこともありますが、一般的に独学は難しい、独学なんて無理、独学は続かない、などと言われることが多いと感じます。そこで、独学のメリットとデメリットから、独学は難しいと言われる理由について考えてみます。

独学のメリット

自己の成長や、スキル習得に関して、非常に有効な学習方法である独学には、多くのメリットがあります。独学の主なメリットについてわかりやすく説明します。

自分のペースで学べる

独学の最大のメリットは、学習ペースを完全に自分でコントロールできるということです。 スクールや講座では他の生徒に合わせることや、カリキュラムに合わせての進みを求められることが多いです。その点独学では、自分の理解度や生活スタイルに合わせて進めることが可能です。特に難しいと感じる箇所に時間をかけたり、すでに知っている部分はその後進めたりすることが可能です。また、学習期間が定まっていないので、学習に掛ける時間をコントロールできるので、ライフスタイルに合わせて無理なく進めることが可能です。これにより、学習の効率が向上し、ストレスなく学習を続けることができます。

コストが低い

学習方法を選択したり、学習を進めるにあったって、費用は重要な基準や要素です。独学では、教材や必要なもの、必要な環境を自分で選ぶことになります。そのため、選択する基準においても、費用を最大限に重視することができます。オンライン教材やサイト学習は低価格で提供されていたり、無料で提供されています。スクールや専門講座は高額な授業料が必要ですが、書籍やオンライン教材等を選択することで、高額な費用が発生せずにコストを押さえて学習に取り組むことができます。特に予算が限られている場合に大きなメリットになります。

学びたい内容を自由に選択できる

スクールや専門講座では、カリキュラムが決まっていて、その内容に縛られます。独学では、興味や必要に応じて学ぶ内容を自由に選ぶことができます。ある分野に特化したい場合や、範囲を限定したい場合、複数の分野を関連付けて学びたい場合など、独学は最適です。自分の裁量で進めることができます。

時間と場所に縛られない

独学は、場所や時間に縛られない柔軟な学習方法です。仕事や家事、その他のスケジュールに合わせて、自由に学習時間を決められます。これは特に忙しい人にとっては大きなメリットです。自宅、カフェ、図書館など、好きな場所で勉強できるため、自分が最も集中できる環境を選ぶことができます。また、移動中や空き時間にも学習を進めることができ、日々の隙間時間を有効に活用することができます。自分の時間を使うことで、周りに気を使うことも無く、時間の調整が最小限で済むことで、精神的にも楽に学習に取り組むことが出来ます。
子育て世代であれば、急な対応が必要になる場合でも、問題無く対応できるようになることはとても大きなメリットになります。

自己成長

独学では、学習スケジュールの設定や進捗の確認、モチベーションの維持を自分で行う必要があるために、自己管理能力が必然的に求められます。独学を継続することで、自己管理能力が自然と養われることになります。また、自分で目標を立てて達成することで、自己有効力感(達成できるという感覚)が向上して、自信や、自己成長につながります。

自分に合った学習スタイル

独学では、学習者自身が最も効果的だと感じる学習方法を選択することができます。書籍やデータなどの文字や図からの習得が良いと感じる視覚型の人、講義や録音再生などの音声や動画での習得が良いと感じる視聴覚型の人、また手や体を使って習得するのが良いと感じる体験型の人など、学習スタイルは様々です。例えば、ビジュアルで理解するのが得意な人は動画教材を、文章での説明が好きな人は書籍や記事をまた、問題解決型のアプローチや繰り返し練習など、自分の学習スタイルに合った方法を自由に選ぶことができます。その結果、学習効率が向上します。

柔軟な目標設定が可能

独学では、自分のペースに合わせて目標を設定し、それに応じた学習計画を立てることができます。例えば、当面で集中して学びたい場合や、長期的に少しずつ進めたい場合でも、自分の思いや環境に応じて目標を設定することができます。また、生活事情や学習の進捗に応じて目標を変更することも可能であり、新たなチャレンジを取り入れたりすることもできます。臨機応変で柔軟柔軟な目標設定が可能になることで、その時にあった効果的な学習を進めることができます。

自己満足感と達成感が得られる

独学では、すべての学習プロセスを自分でコントロールしているため、学び終わったときの達成感が大きくなります。自分で目標を設定し、それをクリアすることで、自己満足感が大きくなり、自信につながります。この経験は、次の学びや新たな挑戦に向かうための原動力となります。 さらに、独学によって得たスキルや知識を実際の生活や仕事に活かすことで、さらに達成感を感じることができます。

結論

独学のメリットには、自分のペースで学習ができる自由さ、低コスト、学習内容の選択自由、時間や場所に縛られない柔軟さ、自己成長と自己管理能力の向上、最適な学習方法の選択、柔軟な目標設定、達成感など、非常に大きな魅力があります。これらのメリットを活かすことで、非常に効果的で充実した学習方法になります。

独学のデメリット

独学には多くのメリットがある一方で、取り組む上でのデメリットも存在します。これらのデメリットを理解しておくことで、独学の難しさに備え、より効率的な学習ができるようになります。独学のデメリットについて詳細にわかりやすく説明します。

モチベーションの維持が難しい

独学では学習を継続するためのモチベーションを自分で維持しなければなりません。スクールや講座のように他人からのサポートや指導がないため、自己管理が欠かせません。しかし、長期間にわたって一人で学び続けるのは容易ではありません。興味が薄れると学習意欲が低下しやすくなり、躓きがあると自分は無理ではないか?と諦めてしまうこともあります。このため、独学ではモチベーションの波に対処し、途中で挫折しないような工夫が必要です。

解決しにくい

独学では、わからない点や疑問が出た際に、すぐに質問できる相手がいないため解決が難しいことがあります。授業や講座であれば講師や他の生徒に質問して即座に答えを得られますが、独学ではそのサポートがありません。そのため、問題に直面したときに自力で調べる必要があり、時間がかかってしまったり、誤った理解に至ってしまうリスクもあります。特に難易度の高いトピックや専門知識が必要な分野では、学習効率が低下する可能性があります。

スケジュール管理が難しい

独学では、自分でスケジュールを立てて進めなければならないため、自己管理能力が求められます。特に仕事や家庭の事情がある場合、学習時間を確保することが難しくなることがあります。さらに、独学では明確な進行状況の把握が難しいため、計画を立ててもそれを遂行するのが難しくなり、学習が後回しになってしまうことも少なくありません。計画が遅れてしまうと挫折感が増し、継続しにくくなる原因にもなります。

目標設定が難しい

独学においての目標設定は非常に重要です。スクールや講座では、どこまでやればいいのか意識せずとも、カリキュラムが決まっているので、こなしていけば完了します。しかし独学では、どこまでやればいいか?どうなればいいのか?を自分で決めなければいけません。それを掴むことができなければ、学習の進捗を把握しにくくなり、達成感が得られないまま挫折しやすくなります。また、学習内容が散漫になってしまうことになります。

学習効率が低下しやすい

独学では、学習の進め方や使う教材もすべて自分で決める必要があるため、効率が悪くなることがあります。最適な教材や方法を見つけるまでに試行錯誤を重ねることになり、時間がかかることが多いです。加えて、インターネット上には情報が膨大にあるため、どの情報が信頼できるかを判断するのも難しい場合があります。学習に慣れていない人や初心者の場合、正しい情報や効率的な学習方法を見つけるのに手間がかかる可能性が高いです。

孤独を感じやすい

独学では他者と一緒に学ぶ機会が少ないため、学習を進める過程で孤独を感じやすくなります。グループ学習や授業でのやり取りがないと、勉強の進展や成果について共有する場が少なく、孤立感が高まりがちです。学習のモチベーションは仲間や講師とのやり取りによって刺激されることも多く、人との交流が少ない独学では、モチベーションの低下や孤独感に悩まされる場合があります。

自分の成長や進捗が分かりにくい

客観的なフィードバックが得られないため、自分の成長や進捗を把握するのが難しくなります。スクールや講座であれば試験や課題を通じて自身の理解度を確認できますが、独学ではそれができない場合が多く、自分がどれだけ成長したのか実感しにくいです。また、学習の方向性が間違っていても気付きにくく、気が付いたときには多くの時間を無駄にしてしまうリスクがあります。

専門的なフィードバックが得られにくい

独学では、専門家からのフィードバックを受ける機会が少ないため、自己流に偏りがちです。たとえば、自己流で学んだスキルに誤りや不足があったとしても、それに気づかないまま進めてしまう可能性があります。特に専門性の高い分野や技術的なスキルでは、プロフェッショナルの指導がないと理解が不完全になりやすく、自己流で学ぶことが後々の問題につながる場合もあります。

最新の情報や技術に遅れやすい

独学で最新の情報や技術を追うのは、意外と難しい場合があります。特に、業界のトレンドや専門的な情報は、独学ではリアルタイムで得るのが難しいことも多いです。大学や専門学校、企業での学習では、最新の情報や実務に沿った内容を習得できますが、独学では情報を独力で探し出す必要があり、変化の激しい分野ではタイムリーな知識の習得が難しくなることがあります。

自己管理能力が必須

独学では、全ての学習プロセスを自分で管理する必要があるため、自己管理能力が非常に重要です。スケジュールの設定や目標達成に向けた進捗管理、自己評価のフィードバックなどを自分で行わなければならず、この自己管理がうまくいかないと学習のペースが崩れ、挫折しやすくなります。自己管理に自信がない人にとって、独学は非常に困難に感じられるかもしれません。

結論

独学には、モチベーションの維持が難しい、質問やフィードバックが得られにくい、スケジュールや目標設定が難しい、人との交流が少ないため孤独を感じやすい、学習効率が低下しやすいといったデメリットが存在します。全ての学習プロセスを自分で管理する必要があるため、自己管理能力が非常に重要です。スケジュールの設定や目標達成に向けた進捗管理、自己評価のフィードバックなどを自分で行わなければならず、この自己管理がうまくいかないと学習のペースが崩れ、挫折しやすくなります。自己管理に自信がない人にとって、独学は非常に困難に感じられるかもしれません。

独学が難しい理由のまとめ

デメリットを見ることで、独学が難しい理由は、下記の側面から説明できることがわかりました。

1.自己管理の難しさ
2.明確な学習目標の設定が難しい
3.フィードバックが得られない
4.孤独感とモチベーションの低下
5.教材選びの難しさ
6.質問できる相手がいない
7.継続力の欠如
8.自己評価の難しさ

自己管理、明確な目標設定、フィードバックの欠如、孤独感、教材選び、質問できる環境の、不足継続力の維持、そして自己評価の難しさなど、ひとつの理由ではなく、多くの課題が絡み合っているのです。
しかし反面、これら多くの課題を乗り越えることができるのであれば、そのままメリットになることも理解できると思います。
独学を最後までやり切り、メリットを存分に感じることができるためには、適切なサポートの活用がとても重要になります。


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